塗料のルーツを探ってみよう

元前1万5000年前に動物たちが描かれた絵で有名なラスコーの壁画があります。
赤鉄鉱、マンガン鉱、黄土、白亜土、骨を焼いた黒顔料に
獣脂や血液に混ぜて描かれていたと考えられています。
この頃が塗料のはじまりと言われています。
では、日本ではどんな塗料の歴史があったのでしょうか?
日本では漆が唯一の塗料でした。中国から渡来したのかはわかりませんが
福井県の遺跡から縄文前期(5000~6000年前)の赤・黒漆が塗られた櫛と見られる物が
出土しています。近年になり北海道の遺跡から約9000年前の朱塗りの物が出土し、
漆の歴史を1000年ほども書き変えました。
現代でも漆は什器、工芸品、建築に幅広く用いられています。
ヨーロッパでは乾性油による油絵具が15世紀前半から広まりはじめ、
ボイル油(乾性油に空気を吹き込んで加熱したもの)
を用いた油性塗料が18世紀中頃に出現したと言われています。